Mシリーズ共通の特徴(松本大策飼料設計コンセプト)

(有)シェパード 獣医師 松本大策

従来の飼料設計は、様々な飼料原料(トウモロコシとかフスマ、大豆粕などですね)を組み合わせる際に、TDN(カロリー)とCP(タンパク質)のみを計算して作られることが多かったのです。また飼料原料の価格変動にあわせて、その都度もっとも安い組み合わせでTDNとCPの数字を合わせて配合割合を変更して作られる製品が大半でした。
牛さんは第一胃という大きな発酵タンクを持っていますので、飼料が急に変わると第一胃の発酵が乱れて本来の力が発揮できなくなります。つまり増体や繁殖成績・肉質などが最大限に発揮されないのです。これまでの飼料では、飼料原料の単価によって同じ銘柄の飼料でも中身が変更されていたので、農家さんが同じエサを同じように与えているつもりでも、知らない間にその中身が変わっていて第一胃の発酵を乱す原因となるケースがありました。

Mシリーズの飼料では、この問題を解決したいと考えました。そこで次の2点を設計思想の中心として設計に取りかかりました。

特徴1 飼料原料の配合割合を決して変更しません。
Mシリーズは第一胃の発酵を最大限に生かし牛さんの持てる力を100%出し切るために、飼料原料の価格変動があっても配合割合を変更しません。安心してお使いいただけます。
また、Mシリーズではそれぞれの飼料(新幼牛M・ダイヤM・ゴールドM)で、配合割合は違いますが同じ原産地の同じ飼料原料を用いていますので、飼料の切り替え時のストレスも最小限です。
特徴2 TDN・CPだけでなくDIP:NFC比とその発酵速度を考えた設計
牛さんは人と異なり独特のタンパク質の使い方をします。そこでCP(総タンパク)で飼料設計をしてもタンパク質が有効利用されなかったり、かえって利用しきれないタンパクが原因で尿石症や下痢・不妊症などの行基を引き起こしてしまうことがあります。
そのようなことがないように牛さんが最大限のタンパク質を利用できるようにDIP:NFC比(分解性タンパクと非繊維炭水化物の比率)という考え方を導入しました。
これは与えたタンパク質がきちんと吸収利用されるために大切な指標です。
ですからMシリーズは、タンパク質が高くても尿石症などの危険が無く増体に優れているのです。

また、僕は獣医師ですので、現場で飼料が原因で発生する病気や繁殖障害、肉質の低下などの経験を盛り込み、病気をしないで品質の良い牛さんを育てる設計に苦心しました。また、牛さんに安全で最大限の飼料効果を発揮してもらうために、飼料の使い方のマニュアルをおつけしました。このマニュアルには、簡単ですが牛さんの消化の特徴や病気のお話も載せてあります。特に肥育では、第一胃をしっかり作っておいてサシのもとになる揮発性脂肪酸を最大限に吸収してもらわなければなりません。マニュアルをよく読んで最高の牛さんを育てて下さい。

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